CAT

症例紹介①

高齢の猫ちゃんがなりやすい状態に対する治療例です。
処置の流れを病気の説明を交えてご紹介します。


スコティッシュホールド 女の子 14歳 

治療の流れとしては、まず歯のレントゲンを撮影し、口の中のトラブルの原因を明らかにして 
残せる歯・抜かなければならない歯を分けていきます。
猫の場合は、歯頸部吸収病巣とよばれる特別な病気があるため、
残根が有るか無いかは、歯のレントゲンを撮ってみなければわかりません。



歯頸部吸収病巣とは 
歯と歯根の間あたりから歯が吸収されていく、ねこちゃん特有の病気です。
最初は歯が欠けている (歯肉が上がっている)ように見え、
放置していると神経と血管が露出し、痛みから食欲が無くなってしまう子もいます。
また、吸収が進むと歯の部分が歯根を残して折れてしまい、
残った歯根が歯肉に炎症を及ぼしてしまう事があるので、必要であれば残った歯根も取り除かなければいけません。
この病気は未だに原因がはっきりと解っておらず、治療しても再発する事から、抜歯が一番の治療だと言われています。



 歯頸部吸収病巣により
 歯がレントゲン上、不正に写ります。



 歯冠部(歯肉から出ている部分)が吸収性病巣により無くなり、
 残痕(歯肉に埋まっている部分が残ってしまっている)があることが
 レントゲンを撮って初めてわかりました。



 歯頸部吸収病巣により
 原形をとどめていない歯