CAT

猫の慢性腎臓病

猫ちゃんの一般的な病気に腎臓病があります。


大きく分けると急性に発生する急性の腎障害と

慢性的にじわじわ進行する慢性腎臓病に分けられます。


あくまで総称で厳密には

腎臓のどこの部位が障害されているかで

病名は変わってきますが、

腎生検が必要なこともあり血液検査や尿検査で

病態を推測していくことが多いです。


急性の腎障害は程度によりますが

一時的な腎機能不全に陥るため

基本的に入院での積極的な治療が推奨されます。


急性の腎障害から慢性腎臓病に移行することも少なくありません。



慢性腎臓病は段階的にではありますが

徐々に腎機能が失われていきます。

腎臓は基本的に再生することが無く、

悪くなる一方の臓器です。


また生存に重要な臓器のためか、

かなり進行しないと異常を

検出できない傾向にあります。


そのため、

いかに早く察知し適切な治療介入を行うかが

現時点での慢性腎臓病治療の肝になっています。


IRIS(the International Renal Interest Society)は

小動物における腎臓病の科学的理解を

深めるために設立されました団体で、

世界中の獣医学専門家により小動物の腎疾患における

治療ガイドラインを作成しています。


現在慢性腎臓病の治療は

IRISの慢性腎臓病治療ガイドラインをもとにされています。

リンク:IRISガイドライン(英文)


報告にもよりますが

高齢の猫ちゃんの腎臓病の有病率は

10歳以上で30~40%、

15歳以上においては50%以上とも言われています。

高齢の猫ちゃんには身近な病気です。


高齢になってきたら定期的に腎機能を確認するようにしましょう。