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腎臓病

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腎臓病について



腎臓は、ソラマメ型をした臓器で左右に1つずつある臓器です。
腎臓には様々な機能がありますが、その主な働きとして『血液をろ過し老廃物を体外に排出すること』、『尿を作ること』、『水分の再吸収などをすること』をしています。
15歳を超えると30%の猫ちゃんが慢性腎臓病と言われています。猫ちゃんに多い病気の1つですが、残された腎臓の機能を大切にして、上手く病気と付き合っていけるようご提案させて頂きます。

腎不全と口腔内疾患の関連性

高齢の猫ちゃんがよく併発する病気の中に、「慢性腎不全」と「口腔内疾患」があります。

「口腔内疾患」を治すためには、どうしても麻酔をかけなければならないため
「腎不全」を持っている猫ちゃんに対して、目をつぶりがちです。
しかし、本来生命の源である“食べること”を優先してあげる事も非常に重要です。


「口腔内疾患」には色々なものがありますが、この中でも特に高齢の猫ちゃんに多いのが
歯頚部吸収病巣と呼ばれる歯が溶けてきてしまう病気と、歯肉炎・口内炎です。
歯頚部吸収病巣は歯が溶けていくので、神経と血管が露出していきます。
そのため、痛みが伴いますし、歯肉炎・口内炎は、もちろん痛みがあります。
痛みがあればやはり、食欲はなくなりますし、触られることも嫌になってしまいます。

「慢性腎不全」では腎臓でおしっこが上手く作れなくなり、
おしっこと一緒に排泄されるはずの毒素が溜まっていきます。
また、脱水にもなってしまうため、気持ちが悪くなって、よりお水を飲めなく、ご飯を食べられなくなってしまう子が多くいます。
「慢性腎不全」になってしまったら、
おしっこを作るために、なるべく多くの水を飲んだ方がよく、もちろん体を維持するためにご飯も食べなくてはなりません。

しかし、「慢性腎不全」では、上記のように気持ちが悪くて食べられない、
さらにそこに「口腔内疾患」も併発していて、口が痛くてご飯が食べられない、水が飲めないとなると、
さらに体が弱っていってしまいます。
また、腎臓が悪いと脱水症状が出ますので、唾液の量も減り、歯石が付きやすくなるため、歯肉炎が悪化する要因にもなります。

「慢性腎不全」の治療で、お薬の投薬が必要になるケースもありますが
その場合も、「口腔内疾患」を併発している猫ちゃんは口が痛くて触られたくないので、お薬をあげるのが難しくなります。

歯の痛みがあることで、ご飯を食べられない、お水が飲めないことは、腎不全の悪化につながります。
それはよりご飯を食べない、お水を飲まないことにつながります。
ご飯を食べられず、水を飲めないということは、最終的には餓死してしまうということです。
それは、猫ちゃんにとってもとてもつらい事です。したがってこの悪循環を止めることが重要です。



「慢性腎不全」も「歯科疾患」も猫ちゃんにかかりやすい病気であり、相互に影響しあいます。
腎不全を持っているから麻酔をかけられないということではなく、
腎不全と今後上手く付き合うために歯の処置を考えて頂けたらと思います。