CAT
耳が腫れる
~猫の耳血腫~


耳血腫とは、
耳介(いわゆる耳たぶの部位。皮膚と軟骨により出来ています。)の
軟骨が何らかの理由により亀裂やおりまがることで出血し、
耳が腫れてしまう病気です。
耳血腫は治療が遅れたり放置してしまうと、
耳介の軟骨が変形してしまい
耳の形がいびつになってしまいます。
(シワシワになったり、耳が寝てしまったりします)

◆症状
耳が腫れます。
触った感じはブヨブヨしていて、
場合によって熱を持ったように
感じられることもあります。
耳が腫れるため重くなり
耳が垂れたり
重さや耳が垂れることを気にして、
頭を振ったり耳を掻いたりします。
◆原因
耳血腫の原因の多くは
外耳炎によるものです。
細菌や真菌(カビの一種)、
ダニの感染により外耳炎が起こり、
痒みのため耳を掻いたり
頭を振ったりすることで、
耳介の軟骨が折れたり亀裂が入り
軟骨の間に血が溜まり血腫を作ります。
その他、喧嘩による耳介に対する外傷などが
原因としてあります。
また外耳炎や物理的な障害以外に、
中耳炎やポリープなどが
原因となることもまれにあります。
中耳炎やポリープが原因の場合には、
場合によってはMRIやCT、麻酔下での
検査・処置が必要なこともあります。
◆治療
①内科治療
まず耳にたまっている血を
注射器を使い抜きます。
耳介の軟骨の炎症をとるため
ステロイドを耳に入れます。
耳血腫の原因となった病気、
外耳炎等の治療を行います。
内科療法は他にはインターフェロンや
非ステロイド系消炎剤を
使用する方法があります。
②外科療法
内科療法に反応が悪かった場合、
または再発を繰り返す場合に
最終的に検討します。
全身麻酔下で耳にたまった血を抜き、
軟骨と皮膚を縫い付けます。
縫う部分は多く10か所程度なので、
手術直後は見た目が一時的に悪くなります。
原因となった病気の治療を行っていきます。
耳血腫は再発率がとても高い病気であり、
耳血腫の原因となった病気をしっかりと
治療する必要があります。
治療中、耳を気にして掻いたりする場合は、
エリザベスカラーを付ける場合があります。
治療が遅れたり、
耳血腫を放置したりすると
軟骨が変形し耳の形がいびつになります。
一度変形した耳の形は元に戻ることはないため、
早めの治療を行いましょう。