CAT
尿のトラブル
~特発性膀胱炎~


もし猫ちゃんが
血尿や頻尿、排尿困難、排尿時に痛がる、
トイレ以外の場所で排泄をしてしまう
といった行動が見られたら、
膀胱炎などの下部尿路疾患の可能性があります。
猫ちゃんの下部尿路疾患には様々な原因がありますが、
6割近くは特発性膀胱炎という
原因不明のもので尿路閉塞が起きなければ
通常1週間ほどで治癒します。
特に10歳未満の猫ちゃんで
この特発性膀胱炎が多く、
逆に10歳以上の猫ちゃんでは
あまり見られません。
◆原因
原因不明なので特発性と呼ばれていますが、
ウイルスや細菌といった病原微生物、
尿路における上皮の状態の変化、
自己免疫性疾患、肥満細胞浸潤、
神経が原因で起こる炎症、
ストレスの関与が考えられています。
6割近くが特発性膀胱炎だとわかっていても、
直接的に特発性だと診断できる検査がないので、
他に考えられる原因を除外した上での確定診断になります。
特発性膀胱炎以外の原因としては
尿石症、尿道栓子、膀胱や尿道などの構造の問題、
行動の問題、腫瘍、尿路感染症などがあります。
場合によっては複数の原因が
複雑に重なり合っていることも考えられます。
特発性膀胱炎は原因がわかっていないため
完全に予防することは極めて困難であり、
原因の除去も難しいので再発を繰り返すことがあります。
軽症なら1週間ほどで治癒しますが
尿路閉塞を起こした場合は命にかかわってきます。


◆おうちでのケア
特発性膀胱炎の原因のひとつとして
ストレスが考えられています。
ストレスの少ない環境を整えてあげましょう。
具体的には猫ちゃんに合った砂を使った
清潔なトイレを多く設置し、
新鮮な水をいつでも飲めるようにして、
安心してくつろいだり
爪を存分に研いだりできる場所を作ってあげます。
また、遊んであげたり撫でてあげたり
猫ちゃんの性格に合わせて
心を満たしてあげることが大切です。
気持ちを穏やかにする成分が配合された
下部尿路疾患用フードも有効です。
近くで工事が始まったり、
普段と違う人の出入り、
新しく同居猫を迎えるといった
環境の変化があるときは要注意です。
◆特発性膀胱炎のポイント
・ 若い猫ちゃんの下部尿路疾患では
原因不明の特発性膀胱炎多いです。
原因不明なので予防が難しく
再発を繰り返すことがあります。
・原因不明ですがストレスが
原因の一つとして考えられています。
ストレスを減らしてあげましょう。
・下部尿路疾患は
尿路閉塞が起きると命にかかわります。
特発性膀胱炎は疼痛や違和感から
生活の質が低下します。
また炎症細胞や血の塊で
尿道が閉塞すると命にかかわります。
早期に適切な治療を行うことが望ましいので、
排尿の異常に気づきましたら
早急に病院までご相談ください。
当院ではストレス軽減療法も
積極的に行っていますのでご相談ください。