DOG
症例紹介
~子宮蓄膿症~
症例①
ミニチュアダックス 10歳 女の子
◆診断されるまで
2~3ヶ月前から飲水量の増加・多尿があり、
1週間前から元気・食欲が低下。
2~3日前から急激にお腹が大きくなった、
とのことで来院されました。
副腎の病気も視野に考えましたが、
1ヶ月前に発情があり、
陰部からの排出物も確認されたため、
子宮蓄膿症を疑い
血液検査・レントゲン検査・超音波検査を行いました。
血液検査では、
白血球や炎症を表す数値が高く、
超音波検査・レントゲン検査では大きくなった子宮が確認されました。

これらより子宮蓄膿症と診断しました。
◆治療
子宮蓄膿症と診断し、
緊急手術を行いました。
子宮は大きく腫れあがっており、
中には多量の膿がたまっていました。
手術後は1日入院し、
翌朝には食欲もでて水も飲んでいました。
手術後3日目には元気・食欲も回復し、
1週間程度お薬を飲んで治療終了となりました。
今回の場合、
1週間様子を見てしまったことが
状態をさらに悪化してしまった原因となっています。
場合によってはかなり重篤な様態に
なっていたかもしれません。
子宮蓄膿症は進行すると子宮にたまった細菌が、
血液に侵入し全身を流れてしまいます。
そこまで進行してしまうと
手術や麻酔のリスクも上がり、
入院期間や治療期間も長くなってしまうことがあります。
子宮蓄膿症は予防できる病気です。
出産の予定のない女の子は、
できるだけ早い時期に
避妊手術を行うことをお勧めいたします。