DOG
会陰ヘルニア
会陰とは、肛門の周りを指し、

会陰ヘルニアは中~高齢で未去勢の
小型犬または中型犬に多く見られます。
好発犬種としては、
ウェルシュコーギー、マルチーズ、ミニチュアダックスフント、
ボストンテリア、トイプードルが挙げられます。
会陰ヘルニアは直腸の周りの筋肉が委縮して、
ヘルニア孔(輪)が発生しその穴を通って
お腹の中の腸や脂肪、膀胱などが
皮膚の下に出てきてしまう病気です。
この穴は血管や神経が出入りするところに
出来ると考えられています。
飛び出る臓器によって排便障害や
排尿障害が起き、
生活の質の低下や生命維持に
支障が出てくるようになります。
◆症状


・肛門の横の腫れ(初期では明確にわからないこともあり、日によって違うこともあります)
・しぶり
・便秘
・排尿障害
・元気消失、食欲不振、血便
などが見られます。
◆原因
・遺伝的要素
・骨盤間膜の構造異常
・ホルモン異常
・神経因性
・慢性便秘
・加齢
・その他(腹腔内腫瘍による圧迫など)
があげられますが、いずれも確定的ではありません。
また、若齢期の去勢手術によってその発生を
ある程度防ぐことが可能であると言われていますが、
まだ確証されている訳ではありません。
◆診断
会陰ヘルニアを診断するには、
臨床症状、触診による直腸検査、
造影検査が必要になります。
またおなかの中の出来物によっての
ヘルニアが考えられる場合、
何度も再発を繰り返す場合は
CTやMRIをおすすめする場合もあります。
◆治療
内科治療、外科治療があります。
会陰ヘルニアを発症した子は、肛門の周りやおしりの筋肉の萎縮、
筋肉間の拡大が進行する可能性がありますので、自然治癒はありません。
また、内科療法は補助療法ですので、外科治療が第一選択となります。
この病気は再発が多いのも特徴の一つになります。
しかし、排便、排尿はわんちゃんに
とってなくてはならない生理現象です。
排便、排尿が困難になることは、
わんちゃんの生活の質(QOL)を落とします。
わんちゃんのQOL向上のために、
治療を行うことをおすすめします。