DOG
膿皮症について
膿皮症とは、細菌感染が原因となって起こる皮膚の感染症です。
感染症と言っても、誰かからうつったり、誰かにうつったりすることはなく、
元々自分で持っている細菌に対して、何らかの原因で皮膚のバリア機能が低下し、
感染を起こしてしまうことで皮膚病が起きます。
◆症状
・痒み ・脱毛 ・フケ ・毛並みが乱れている(でっぱっている)部分がある
・中央が黄色いぽつぽつができる ・赤くなる
などがあります。
重症化すると、皮膚が硬くなったりすることがあります。
症状は1か所だけだったり、全身に数か所出来たり、様々な広がり方をします。
基本的には、体は自分に対して良くないものに反応し、
それを体から排除するような(皮膚の表面についた細菌をフケとともに落とす、毛穴の中の細菌を排除する→毛も抜ける)
反応を取ります。
◆検査
膿皮症の原因となりうる細菌は、前述しましたように、元々健康なわんちゃんにもいる常在菌です。
そのため、表面の細胞診が100%の検査になる訳ではありません。
しかし、他の病気が重なっている場合や、
膿が溜まっている部分では検査の意義があると考えられます。
また、試験的に投薬を行って、その結果によって判断をすることもあります。
膿皮症は一見単純な病気のように思えますが、実際は重症化してしまっていたり、
他の病気が重なっている事もあります。
その為、治療に対する反応が悪い場合などは、何の薬が合うのかを調べたり、
皮膚の生検を行ったり、追加の検査をする場合があります。
◆治療
治療は主には消毒や薬用シャンプー・外用薬による治療と内服薬(抗菌剤)で行います。
感染が起きている皮膚の深さで薬の到達する程度が変わります。
人間の場合ですと、抗菌薬は長期的に飲まない方が良いと言われていますが、
わんちゃんの膿皮症で抗菌薬の内服が必要な場合は1カ月程度は飲まないと十分に効果が出なかったり再発してしまうことがあります。
これは皮膚の表面の角質に血管がないので、角質の代謝によってでしか皮膚表面に薬物が到達しないことが原因です。比較的表面の感染では消毒が有効です。皮膚の深い部位での感染や消毒で十分に効果が出ない場合は抗菌薬の内服も検討します。
シャンプーも肌に優しいものをただ選ぶのではなく、
その子の体質、症状に合ったシャンプーを選択し、
その子に合った頻度で行ってあげることが大切になります。
当院では、抗菌薬を上手く飲めなかったり、
お薬で吐いてしまったりする子に対して、色々なアプローチをすることが出来ます。
また、膿皮症と重なっている病気や、隠れている病気を見つけてアプローチすることも出来ます。
膿皮症と言われたが、なかなか治らない、繰り返している場合は是非ご相談ください。